イタリアのパドヴァ大学のガルディ博士らによる面白い実験が、
今話題の『脳には妙なクセがある』(池谷裕二著)で紹介されています。
モニターに様々な単語や映像を出して見せて被験者に両手持った二つのボタンの
いずれかを素早く押して、好き嫌いを表現して貰うという実験です。
意識的に判断する時間が無い状態なので、どんどん無意識の好き嫌いが
顕在化するのだそうです。
興味深いことに、この好き嫌いの結果は普段自分が意識している好き嫌いと
必ずしも一致しないようなのです。
つまり、無意識中で嫌いなことが、場合によっては多数存在することになります。
日本催眠術協会理事長の吉田かずお先生の『悩まない催眠』というCDでは、
聞き手が解放される悩みとして、“仕事の上での悩み”や“人間関係からの悩み”
などの聞き手が意識している悩みの他に、“漠然とした憂鬱”があります。
この漠然とした憂鬱というのは、自分の意識が認識してない何かによって
湧いてくる“嫌な感情”と言うことですから、ガルディ博士が実験で
顕在化させた嫌いな対象であるのかもしれません。
本人も意識していない悩み。それを根本的に解決できるのは、やはり、
催眠技術しかないということなのだと思います。