催眠関係の用語には、使用者によって微妙に定義が違ったり、
明確な定義がないように見えたりするものが多々あります。

有名な催眠術師、守部昭夫氏の弟子の吉峯幸太郎氏が書いた
『催眠のすすめ』では、
「面接催眠」と「催眠面接」と言う言葉が、
全く異なる意味の言葉として使い分けられています。

「面接催眠」と吉峯氏が呼ぶのは、被験者との面接の形で、
ラポール形成をきちんと行なって、被験者が
「催眠をかけられてもよい」とか「催眠にかかってみたい」
と思うようになるプロセスのことです。

吉田かずお先生が「覚醒意識支配」と呼ぶプロセスと
ほぼ同義だと思われます。

吉峯氏も吉田先生も、ラポール形成のプロセスを非常に重視していて、
ここにこそ催眠術師としての技術の巧拙が出るとしています。

「催眠面接」の方は全く意味が異なり、催眠状態で行なう面接のことです。
変性意識状態では、被験者は意識的な嘘をつくことができません。
催眠者の質問に対して、被験者は本心の答えを口にします。
考えてみると、これは当たり前のことですが、
様々な面接やヒアリングなどの場面で応用が利く手法です。

催眠技術の手法や用途は非常に幅広く、
こうした書籍にある用語を改めて考えてみるだけでも、
色々な可能性に気づかされるのです。