メスメルが動物磁気の実験を重ねるうちに、
被験者が透視などのESPを発揮するようになったと
記録に残っています。

このような現象も、ヒプノティズム誕生の遥か以前に
ヨーロッパで大流行したメスメリズムを
オカルティズムの領域に追いやった一因です。

日本の催眠術史では、明治後期の福来友吉による
御船千鶴子の実験が有名です。

映画『リング』で貞子の母に起きた悲劇は、
この御船千鶴子の話がそのモチーフです。
彼女の透視能力は、催眠術によって、本人に制御可能な
能力となって発現したのでした。

『「超常現象」を本気で科学する』を読むと、
超心理学と言う現代の科学が主に透視能力などのESPの存在を
確認していることも、そのESPが無意識の力であることも
ほぼ判明しているとされています。

無意識を制御する技が催眠術ですので、催眠術とESPの関係が
科学によって明らかにされつつあることに興味が湧きます。

一方で、催眠術の歴史は、科学者らによって、
科学に絡め取られては、残った部分がオカルティズムや迷信の枠に
追いやられて来た歴史ともいえます。

科学が超常現象を解明していくとき、催眠術師に残される
催眠技術の領域が何を含むものになるのか、とても気になるのです。